Master Chef
受賞歴
ミシュランガイド 二つ星
鮨歴三十余年
江戸前の伝統技法を継承
修業は十五の春に始まった。包丁を握る前に、魚を見る目を育てろ——師の言葉は今も耳に残る。江戸前の技を軸に、大将が自らの鮨を確立するまでの物語。
十五の春、東京・築地の老舗鮨店に弟子入りした。包丁を握る前に、まず魚を見る目を育てろ——師の言葉は今も耳に残る。毎朝四時に市場へ出向き、目利きの基礎を叩き込まれた日々。
江戸前の技法の核心に触れたのは、修業五年目のことだった。煮切り、漬け、〆——それぞれの仕事が持つ意味を問い続けた。シャリの炊き方だけで三年を費やした。
師の許しを得て、独立の道を歩み始めた。場所は銀座の一角。カウンター八席、余計なものは何もない空間に、三十余年の修業の全てを注いだ。
ミシュラン二つ星の評価を受けた今も、毎朝の仕込みは変わらない。江戸前の伝統技法を継承しながら、一期一会の鮨を握り続ける。鮨歴三十余年、道はまだ続く。
シャリの温度は人肌。ネタとシャリが口の中で一体になる瞬間のために、握りの強さを毎日調整する。鮨は科学でも芸術でもなく、対話だと思っている。
シャリの温度は人肌。ネタとシャリが口の中で一体になる瞬間のために、季節と室温を読み、その日の最適を探し続ける。
握りの強さは毎日調整する。同じ力で握っても、米の状態、ネタの厚み、その日の湿度によって仕上がりは変わる。
鮨は科学でも芸術でもなく、対話だと思っている。目の前のお客様の表情を読み、その一貫に全てを込める。
言葉より先に、手が語る。カウンターで見せる所作のひとつひとつに、この人の美意識が宿っている。
Counter, morning light
The hands that speak
A moment of stillness
Before the first guest arrives
Rice, temperature, intention
Thirty years, one path